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家賃収入がある場合、年金は減る?確定申告や扶養の扱いについても解説

家賃収入がある場合、年金は減る?確定申告や扶養の扱いについても解説

公的年金に不安を感じ、老後の備えとして不動産投資を始める人が増えてきています。しかし、中には「家賃収入があると、受け取れる年金額が減ってしまうのではないか」と懸念している人もいるかもしれません。

 

本記事では、60歳以降にアパート経営などで不動産収入がある場合に、年金受給額に影響があるのかどうかを解説します。また年金支給停止やカットの対象となる収入には、どんなものがあるのか等もお伝えします。年金の受給中に家賃収入を得るメリットや注意点、家賃収入を得るまでの簡単な流れもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

家賃収入があると、年金カットもしくは支給停止される?

結論から言えば、60歳以降で年金を受給中に家賃収入があっても、年金額のカットや支給停止になりません。家賃収入は、基本的に不動産所得に分類されます。そのため、所得税・住民税が課税されます。また物件を維持するために、固定資産税や都市計画税を納税する必要もあることを覚えておきましょう。

 

年金が支給停止・カットになる収入とは

60歳以降も会社で働き続ける場合は、給与をもらいながら厚生年金の被保険者として保険料を支払います。この場合「在職老齢年金制度」が適用され、総報酬月額等によっては、受給するはずの年金が支給停止または減額される可能性が出てきます。つまり、60歳以上でも一定の給与所得がある人は、年金が支給停止・カットされるケースがあるのです。

 

【在職老齢年金制度】

年齢

基本月額と総報酬月額(※)の合計

支給停止額

60歳~

(70歳以降は年金保険料の納付不要)

47万円以下

0円(全額支給)

47万円超

(基本月額+総報酬月額―47万円)×1/2×12

※基本月額…加給年金額を除いた老齢厚生年金の月額、総報酬月額……標準月額+(年間賞与÷12)

参考:日本年金機構

 

以前は65歳未満の在職者が年金を全額受給できる上限は「基本月額と総報酬月額の合計が28万円以下」と定められていました。しかし、令和4年4月から、60歳以上であれば上限が47万円超と改正されています。

 

公的年金の受給開始年齢が、男性は2013年〜2025年、女性は2018年〜2030年にかけてそれぞれ段階的に60歳から65歳へ引き上げられます。その影響で、最近では定年を63歳などに引き上げる企業も増えてきています。

 

短時間・短期間労働のアルバイト・パートは対象外

アルバイト・パート労働をしている場合は、基本的に年金が停止となったり減額されたりする対象にはなりません。

 

ただし、以下の基準をすべて満たす場合は社会保険へ加入する必要があります。そのため、厚生年金の被保険者となり、在職老齢年金制度の対象にもなりますので注意しましょう。

 

【アルバイト・パート労働者が社会保険へ加入要の判断基準】

  • ・1週の労働時間が一般社員の3/4以上
  • ・1月の労働日数が一般社員の3/4以上

※1週の労働時間が30時間以上及び1月の労働日数が15日以上の場合は加入が必須となります

 

年金の受給中に家賃収入を得る3つのメリット

年金を受給しながら不動産所得として家賃収入を得る場合、以下のメリットを得られます。

 

不労所得になる

平均寿命が延び続けている現代では、60歳以降も現役で働き続ける人が増えています。しかし、年齢とともに病気やケガをする確率は高くなります。体の無理がきかなくなってきた時に、家賃収入という不労所得があると心強いです。

 

資産として安定している(インフレ対策)

インフレとは、物価が上昇する好景気を指します。インフレになると、物価の上昇にともなってお金の価値が下がります。しかし、必需品の購買意欲は維持されますので、企業は売上を上げようと頑張り、個人の給与も上がることで消費は活性化します。

 

このように物価が上昇するインフレ時には、土地、アパートやマンションといった不動産の資産価値も上がる傾向にあります。ぐっと価値が下がってしまう現金に対して、不動産を購入しておく方がインフレ対策になるのです。

 

子どもに財産として遺せる

「実物資産」と言われる不動産は、自分に万が一のことがあった場合でも実物として子どもに遺せる資産です。その価格については不動産業界の歴史を見る限り、デフレでも一気に下落する可能性は低いといえます。住宅ローンを組んで物件を購入した場合には、団体信用生命保険によってローン残債はなくなり、実物資産だけを家族に遺せることができる のがメリットです。

 

年金の受給中に家賃収入を得る2つの注意点

家賃の月額が5万円と仮定すると、年間で60万円の収入になります。ここから管理会社への委託料などの経費を引いたものが、年間における不動産の所得額です。年金対策として不動産投資を始めようと考えている場合には、家賃収入は決して小さくない所得額になること、年金受給中にも長期運用してくことを踏まえ、以下の2点に注意しましょう。

 

確定申告が必要になる可能性がある

公的年金は雑所得に分類されますので、口座に振り込まれる際に源泉徴収されています。そこで、その他の所得は別に確定申告する必要が出てくる場合があります。ただし、年金の受給中に確定申告が必要となるのは、以下のケースです。

 

【年金の受給中に確定申告が必要となるケース】

・公的年金等の収入金額の合計が400万円超の人

・公的年金等以外の所得金額が20万円以下の人

参考:国税庁

 

 

扶養から外れる可能性がある

たとえば夫(世帯主)の収入によって生活している妻(被扶養者)がいて、妻の年間合計所得(公的年金を含む)が48万円以下の場合、夫は確定申告の際に扶養控除を受けられます。このように、税法上で扶養控除を受ける際には、被扶養者の所得制限が設けられています。ちなみに公的年金の雑所得額の算出については、年齢や年間で受給した公的年金額の合計などによって計算式が異なりますので注意しましょう。

 

家賃収入を得るまでの流れ

年金対策としてマンション経営などを始めようと考えている人へ、実際に家賃収入を得るまでの簡単な流れをご紹介します。

 

①物件を確保する

年金受給年齢になった後も、長期運用が期待できる物件を購入するのがおすすめです。不動産投資会社は投資を専門とする不動産会社であり、物件選び・ローンを組む・運用アドバイス・急な資金が必要になった場合の売却など、長期間にわたりお付き合いすることになります。まずは、不動産投資会社を複数社で比べて、信頼できる会社を見つけるところから始めましょう。

 

②賃貸を開始する

物件を確保したら、不動産投資会社や契約した管理委託会社が入居者の募集を始めます。審査で家賃をきちんと支払う経済力があると見なされた入居者と賃貸借契約を交わせば、賃貸が始まります。

 

③入居者から入金される

毎月の家賃支払いは、前払いのケースがほとんどです。入居者から前払いで家賃を受け取り、ローンの返済や物件維持費に充てるなどして、長期運用を目指しましょう。

 

まとめ

家賃収入は不動産所得ですので、年金を受給しながらでも年金の減額や支給停止の対象にはなりません。老後の不労所得になるなどメリットも多いですが、所得額によっては確定申告が必要になったり、扶養から外れてしまったりすることもありますので気を付けましょう。

 

また、不動産投資の初心者の場合は、良い面だけにとらわれず、投資のリスクについてもしっかりと勉強しておく必要があります。初心者向けのセミナーを行っている不動産投資会社も多く、参加して相談に乗ってもらう方法もあります。不動産投資セミナーでは、たくさんの情報を得られますのでおすすめです。

 

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